2016年5月22日

丑三つ時から、寅の刻へ移りゆく頃、月の光に誘われて

月を愛で、月と親しんできた、日本人。
太陽暦に代わる以前、月の満ち欠けを周期に、太陰暦が使われてきた歴史から、
多くの歌人が月を詠み、ロマンチックな月の物語が綴られてきました。
山の端から昇る、夕べの月の美しさだけでなく、
山ぎわへ落ちる、夜明けの月もまた、神秘的な光を放っていることがあります。
まるで日本画のよう、いえ、日本画の色彩は、こんな光景から生まれたのかと。
静寂につつまれた西の空に、やがて朧月は、山の端へ落ちて、
曙色につつまれた東の空に、そして朝陽が、山ぎわから昇り、
『そらいろの丘』に、きよらかな1日がはじまりました。

2016年5月17日


田圃に水が潤い、刻々と移りゆく風景を、鏡のように映しだす季節。
蛙の声がいちだんと大きく、あたり一面に響きわたる夕暮れ、
南の八ヶ岳、その西端の蓼科山から続く、霧ヶ峰や美ヶ原の山ぎわが、
忘れ得ない美しい残照に染まり、紅の田園風景が描かれました。
田植えをして間もない水田が、得も言われぬグラデーションとなり、
ひとの営みと大自然が融合する、黄昏色に染まる時。
地球の躍動が伝わる、一瞬の光景は、明日への力となり、
地球の鼓動が響く、一期一会の風景は、いつまでも心に刻まれるでしょう。

2016年5月12日


朝焼けに染まる時、スカイブルーに映える時、定点観測の軌跡より

草木が萌え、若草色に染まる、のどかな風景の向こうに、
冬季は雪に閉ざされ、雄々しくそびえ立っていた浅間山も、
険しい表情をゆるめて、にっこり微笑んでいるかのようです。
山粧う季節から、山眠る風景へ、
この丘に、この空に、織りなされる美しい“そらいろ”を、
1枚の写真にメッセージをこめて、お伝えできますように。
どんなに忙しい朝も、慌しい夕暮れも、
ふと見上げる浅間山は、こころに笑顔を!と諭してくれます。
山笑う季節、ハルゼミの声も、ほがらかに響いて。

2016年5月5日

幼馴染を見送る塗師兼マスター、そしてライダーは、丘を抜ける風に

御牧ヶ原を貫く区間は、信号機のない千曲ビューライン。
バイクやロードレーサーも走り抜ける、恰好のドライビングロードです。
ひと雨ごとに緑深く移ろう、最高のドライブ日和となったこどもの日、
信州をツーリング中のお客様が、帰り道に立ち寄ってくださいました。
ちょっぴりダークな珈琲&ほんのり甘い焼菓子に、ほぅ~っとひと休み、
懐かしい仲間の話をしながら、つかの間の休息に、ふぅ~っと息抜いて、
また颯爽とバイクにまたがり、この丘を走り抜けて行きました。
背中いっぱいに、ここちよい風浴びて、憧れのライダーとなって!
『そらいろの丘』が若草萌ゆる季節、丘を抜ける風になりませんか?
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2016年5月2日



草を食む愛らしい姿が、飛び上がった瞬間、ウサギの跳躍を間近に!

若草萌ゆる、うららかな昼下がり。
西側の窓の向こう、デッキの下で、もそもそと動く影ひとつ。
クローバーの葉を食む、その愛らしい姿は、ニホンノウサギ!
と、今回はカメラを構えて、しっかり撮影することができました。
夜行性なので、雪の上の足跡は見たことがありますが、
真昼の出会いは初めて、かわい~いお客様に感激♡
草刈りしたばかりの場所が、居心地よかったのでしょうか?
しばらくの間、愛らしい仕草で、もぐもぐと草を食んでいました。
そして、体をぴゅ~んと伸ばして、ジャンプ!
次のシャッターを切る間もなく、お隣の木立へと飛び去りました。
そこは獣道(けものみち)、この丘で生きる、野生動物たちが通る道。
追ってはならない境界線を、そっと見守りました。

2016年4月20日

ロールスクリーン越しにやわらかな光そそぐ、写真スタジオに模様替え!

長らく封印していた小道具を出して、木を削る、冬の日々…
その後『そらいろの丘』をスタジオに、テキストの写真撮影が行われ、
4月下旬「手づくりおさじプログラム」がリリースされました!
ようやく店舗オープン、仕事を再開したばかりの昨秋、
前職時代にお世話になった、株式会社フェリシモよりお声がけいただき、
日本に育つ木の魅力を伝えるメッセンジャーとして、共創させていただきました。
がんばらなくても続けられる “ゆる活” 始めませんか?
そんなキャッチコピーで、しあわせ生活を提案する人気商品『ミニツク』は、
モノではなくコトをお届けする、新しい学びのスタイルです。
お家で木を削り、自分好みのおさじ作りを、ゆる~く楽しんでいただけるように、
プランナーと一緒に、試行錯誤しながら、半年がかりで創りあげました。
フォトグラファーに撮影いただいたイメージカットも、素敵なシーンとなりました。
木を削りながら、日本の森やそこで生まれた森の命に、想いを馳せてただきたい…
もの・ひと・まちのコラボレーションを掲げる『そらいろの丘』は、
このような仕事にもチャレンジしております~「手づくりおさじ」始めませんか?

2016年3月16日

すぅーっと描かれた絹雲に、春の光を感じて

薄墨色の空が晴れて、久しぶりに八ヶ岳を望む朝、
すぅーっとした巻雲(けんうん)が、はるか続いていました。
絹のようにしなやかで、やわらかで、細やかなこの雲は、
絹雲(けんうん・きぬぐも)と書かれることもあるそうです。
なごり雪に覆われていた大地も、ところどころ土色に、
地中からみなぎる力が、早春らしい風景を描いています。
空はこころを映すキャンバス、こころ留める時は人それぞれ。
『そらいろの丘』の1日は、移りゆく季節を感じることから。

2016年3月4日

完成形をイメージしながら、少しずつ削ってゆく工程は、ドキドキ&わくわく!

長らく封印していた小道具を出して、木を削る、冬の日々…
ふと気づけば、早咲きの桜便り届く季節へと、移り変わっていました。
型に流し込んだり、力を加えて成形する素材と違い、
木塊(もっかい)を削り出し、かたちづくる木工品は、
後戻りができないゆえ、ひと削りひと削りが真剣勝負。
完成形をイメージしながら、少しずつ削ってゆきます。
樹種により堅さや肌ざわりが、同じ樹種でも木目や肌いろが、
木は生きている素材だから、ひとつひとつ個性があります。
ほんのりあたたかな手ざわりに、親しみを感じていただけるように、
毎日の暮らしに寄り添う、そんな商品を目指して、もうひとふんばり。
もの・ひと・まちのコラボレーションを掲げる『そらいろの丘』は、
このような宿題も承っております~商品発表を、どうぞお楽しみに!

2016年2月2日


冬らしからぬ山肌を露わにしていた、1月下旬。冬らしい純白の衣をまとった、2月初。

冬木立の枝先に、ほんのり春の萌しを感じるこの頃、
衣を更に重ねて着る、「衣更着」(きさらぎ)に由来するという、
如月は、重ね着をしながら、種蒔きの準備をする季節です。
暖冬と言われた睦月、冬らしからぬ山肌を露わにしていた浅間山も、
山裾のまちが雪原に覆われた如月、美しい純白の衣をまとい、
朝陽に照らされて、東信濃の冬らしい風景を映してくれました。
この山の噴煙は、大地の鼓動を物語っています。
やがて訪れる季節に向けて、少しずつ、一歩ずつ、力を蓄えて…
ふぅ~っと息ぬきながら、そんな木霊(こだま)も聞こえてきました。

2016年2月1日



いつかお役に立ちたいという思いが、1冊の本に!

一昨年の夏、工房のグリーンカーテンにと、
塗師自ら、種をまき、水をやり、草をとり、蔓を巻かせて、
大切に育てた朝顔が、英訳本の装丁となって届きました。
雨が少なく、からっとして、太陽の光ふりそそぐ信州小諸の花は、
濁りがなく、きらっとして、生命力あふれる鮮やかな色彩が際立ち、
ある朝、その感動をフレーミングした、さりげないスナップ写真。
学生時代の恩師が手がけた、日本文学を世界へ伝える和文英訳本。
林 芙美子が残した言葉「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」
その描写が心に刻まれる、1冊となりましたら幸いです。
海をわたる1枚の写真、私たちの心にも、ちいさな花が咲きました。
