2017年11月30日
調律されて甦ったピアノから、かろやかな音色が響きわたり、感慨もひとしお
ピアノのある風景、ピアノが響く空間。
『そらいろの丘』の建築設計で、大切にしたことのひとつです。
昭和50年製のピアノが、調律されて甦り、感慨もひとしおです。
ピアノは「木の芸術品」と言われていますが、
厳選された木材を適材適所に配し、アクション部品は100分の数ミリの精度を要し、
木を見極める目も、木を加工する手も、木の音色を整える耳も、人のなせる業。
アップライトピアノ1台で、およそ8,000個の部品が組み込まれているそうですが、
その主要素材の木は、マツやイタヤカエデのほか、細部にはブナやマクルミも!
昭和の時代のピアノには、日本に育つ木が、かたちを変え、生き続けていました。
木目を見るだけで、樹種がわかるんですね~
はい、それが生業ですから~
ピアノに使われる「木の話」が、こころに響いていただけましたら何よりです♪
2017年11月25日
シウリザクラの魅力を引き出した、hao&mei 制作のオリジナルテーブル&チェア
時を経るほどに、味わい深くエイジングしてゆく、無垢材の家具。
あたたかく、なめらかな、シウリザクラのテーブル&チェアは、
木と向き合うことを生業とする、私たちの店舗ならではの、おもてなしのひとつ。
時の流れが創り出す風合いは、生きている素材ならでは、
日本に育つ木のここちよさに親しんでいただく、店づくりを通して、
木はかたちを変え、ひとの暮らしの中で生き続けることを、広く伝えてゆきたい…
先日ご来店いただいたお客様が、テーブルに自作の陶器を広げ、お喋りに花を咲かせ、
敷布をお持ちした時すでに遅く、天板に深い傷が残ってしまいました。
木肌は人肌と同じ、自らの肌より硬質なものを擦りつけられれば、悲鳴をあげます。
柔らかな素材ゆえ、塗師が研磨し、ワックスをかけ直し、修復を試みましたが、
テーブル&チェアを傷つける異素材(陶磁器や金属等)の持ち込みはご遠慮ください
の一文を、店づくりページへ追記しました。
木との向き合い方を伝えてゆくことも、私たちの大切な仕事と考えています。
2017年11月16日
浅間山が3度冠雪すると麓にも雪、と言われるように、
いつもの散歩道から、白い山頂と雪雲を望みました。
やがて、桑畑にて、黄葉した葉がバサバサと落ちた翌朝、
山麓のまちに初雪が舞い降り、冬の訪れを告げました。
この「そらいろ便り」や Facebook & Instagram をご覧になり、
御牧ヶ原の風景に魅せられて、ご来訪いただくことが増えてきました。
“ものと出会う まちの風景”がキャッチフレーズの『そらいろの丘』は、
夫婦共創の「漆の器」を展示販売する、空間そのものが木のギャラリー。
日本に育つ木のここちよさに親しんでいただき、自然の恵みへ感謝する、
森の国のこころを伝えてゆくことも、大切な仕事と考えています。
2017年11月10日
こころ留める、夜明けの空、黎明の“そらいろ”
早朝の雲の色を表す、「東雲(しののめ)」という風情ある言葉は、
古の住居の明かり取りに、篠竹が使われていたことから、
篠の目が転じて、夜明けの薄明かりを意味するようになったそうです。
「朝焼け」は、俳句歳時記では夏の季語ですが、
県境の山並みから昇る朝陽を、仰ぐことができる晩秋から冬の朝は、
毎日わくわく&ドキドキしながら、同じ窓辺で、同じ方角を望みます。
まるで空とつながっているかのような、大きなガラス窓に映る東雲色。
まるで空へ続いてゆくかのように、計算された支柱と屋根のシルエット。
空へ続くをコンセプトに設計された木造建築が、風景にとけ込む瞬間です。
2017年11月7日
山腹が色づきはじめた10月上旬、台風一過の空に初冠雪、暖かな立冬を迎えた11月上旬…定点観測の軌跡より。
台風一過の朝、しばらく雲に覆われていた浅間山が、初冠雪を迎えました。
平年より3日、昨年より7日、早かったそうですが、
世界有数の活火山として知られる山頂は、立冬にはまた、雪のない粧いに。
山頂の冠雪の白、山腹の紅葉の赤や黄、山麓の針葉樹の緑が織りなす、
山国ならではのグラデーションを、「三段染め」と表現しますが、
今秋は紅葉真っ盛りの頃、青空ひろがる「四段染め」で賑わったようです。
東の窓からあおぐ、浅間山の「定点観測の軌跡」も、3年目に。
いつの間にか、桑の枝が写りこみ、気がつけば、背伸びしながら写真撮影!
木々の生長に、時の流れを重ね、『そらいろの丘』もまた、年輪を重ねて。
2017年11月3日
浅間山から噴きあがるように広がった、秋の雲を追いかけて、
いつもの散歩道から『そらいろの丘』を望みました。
浅間連峰に抱かれて、ポツンと佇む木造建築は、
時を経るほどに風合いを深め、風景にとけ込んで。
「みまき大池」から望む、この大空を追いかけて、
移りゆく季節が伝わるように「そらいろ便り」へ綴っています。
空を近くに感じられる場所ですね~
そらいろの丘って風景そのものね~
こころに刻む“そらいろ”を皆さまに共感いただくことは、
励みとなり、続ける力となり、これからの歩みの糧となり。
2017年11月2日
海を想う、朝の窓辺。
「霧」は秋の季語ですが、朝霧に包まれることの多い季節、
御牧ヶ原から見わたすと霧、麓から見上げると雲。
小舟に乗って波を漂う、イマジネーションふくらむ窓辺から、
近くの丘も、県境の山並みも、まるで海に突き出た半島のよう。
幾重にも連なる稜線の向こうに、日本一の頂も薄っすらと、
富士山を望むたび、その向こうに広がる、大海へ想いを馳せて。
郷里の友を思い浮かべ、ほっとさせてくれるこの風景が、
『そらいろの丘』に住まうことを決めた、訳のひとつです。
「秋の雲」にこころ留めた日々から、冬の足音聞こえるこの頃、
浅間山が3度冠雪すると麓にも雪、と言われるように、山眠る季節のはじまり。
浅間おろしが吹き荒れた後、いちだんと澄みわたる空を、こころに刻む季節へ。
2017年10月29日
残照に映える秋雲は、この季節ならではの“そらいろ”。
神無月の夕暮れ…
「霜降」を過ぎて、秋深まる頃、
いつから?肌寒い風が吹き、どこから?雲の群れが運ばれてきました。
水無月が「水ノ月」と言われるように、神無月は「神ノ月」と言われ、
ふと見あげる空が、神々しく感じられる時もあります。
また、雷が鳴り響かなくなる季節から「雷無月」(かみなづき)とも。
「夕焼けに鎌を研げ」という諺の通り、翌日は秋晴れに恵まれました。
いつかの夕暮れと題して、
風待月の夕暮れ、涼暮月の夕暮れ、染色月の夕暮れ、紅染月の夕暮れ、
こころに刻んだ夕暮れを、奥ゆかしい響きの和語とともに。
2017年10月27日
しばらく雲に覆われていた、浅間山が初冠雪を迎えた翌朝、
同様に、しばらく霧の帳の向こうだった、八ヶ岳山頂にも雪。
山眠る季節のはじまり、冬の足音に雲も流れゆく、海を想う朝。
“今日のそらいろ”を追いかけて、季節はめぐり、
ふたたび描かれることのない、美しい雲模様の「一日一絵」から、
いちだんと澄みわたる、スカッと青空に、キリッと映える、冬景色へ。
夏は涼しく、冬は暖かく、風土に根ざした木造建築は、
これからの季節もおだやかに、3年目の冬を迎えようとしています。
流れゆく雲に時の流れを重ね、「そらいろ便り」を綴るこの頃です。
2017年10月24日
こころ染み入る夕景は、まるで油彩のような「一日一絵」に
おだやかで、あたたかな、春のような陽気を「小春」といいますが、
神無月には「小春月」という異称もあります。
ほんわりした1日の終わり、やんわり流れゆく雲が染まる時、
心にぽぅ~っと灯がともり、心にずぅ~っと灯をともす、
ふたたび描かれることのない、この丘ならではの黄昏時。
こころ染み入る夕景は、まるで油彩のように、
一瞬をとらえた写真は、いつもこころの奥に。
この月の夕空は、小春月の夕暮れと、こころに刻みました。