2025年10月8日

そらいろ便り

Category: 空をわたる

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自然の営みはつつがなく、木々の梢が秋色に染まる季節となりました。
ギャラリー&カフェ『そらいろの丘』は、店づくりのはじまりを大切に、
漆の器」をこれからご購入いただく方、これまでご購入いただいた方とふれあう、
ご予約制の店舗にて営んでおります。

*ご来店はご予約制とし、1週間前までにお電話またはメールにて承ります。
店舗営業日の公開、千曲ビューライン沿いへの看板設置はしておりません。

*夫婦共創の「漆の器」を展示販売する店舗につき、ご来店のご予約は、
これからご購入いただく方、これまでご購入いただいた方に限らせていただきます。
カフェでのおもてなしは、ご希望に応じて、コーヒー&焼菓子をご提供いたします。

*「漆の器」のご購入および贈り物をお考えのお客様には、
オンライン接客も承りますので、どうぞお申しつけくださいませ。

*当初より飲食店や喫茶店として営んでおりませんので、これまで同様、
併設のカフェのみご利用、不特定多数向けのスペース提供はお断りいたします。

そらいろ便り」と「ものがたり」に、この丘の歩みを綴っております。
私たちの活動が皆さまのお役に立ち、地球の未来へつながることを願っております。

(2025年10月8日 更新)

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2025年10月8日

手のひらに馴染む

Category: お椀

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土からつくられたおわんは「碗」、木からつくられたおわんは「椀」と書きます。
石偏の「碗」は、土を練り、固め、焼いて仕上げた「焼き物」、
木偏の「椀」は、木を削り、磨き、漆などを塗って仕上げた「挽き物」、
同じおわんでも、その成り立ちが大きく違います。

「お椀」は、ひとと同様に、大地に根ざして生きている素材ならでは、
衝撃にもカケたりワレたりし難い、しなりと粘り強さを持ち、
お料理はあたたかに、デザートはひんやりと、包みこむ保温力&保冷力を発揮し、
互いに擦れ合うと、コンコンッと耳にやさしい音もまた魅力。

私たちの「お椀」は、高台(こうだい:脚部)も指先に馴染む微妙な曲面に削り、
手のひらから、あたたかさ&おいしさが伝わってくるプロポーションにこだわり、
信州の山に自生する、カエデの堅く滑らかな木肌も、しっくり馴染む由縁です。
「縄文人も往来した黒曜石の道 信州和田峠のカエデ」のお椀は、来春完成予定です。

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2025年9月18日

つなぐ木のいのち_2025秋

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信州は青空と太陽に育まれる豊かな森林に恵まれ、信州人は木と共に年輪を重ねてきました。
その地形と気候から多様な木が育ち、「適材適所」に生かす知恵と技術を継承してきました。
さまざまな樹種のそれぞれの特長を生かす、「適材適所」は日本の「木の文化」の真髄です。

長野県は、全国4番目の広さ、全国3番目の森林面積と森林率で、県土の約8割が森林です。
森林から運ばれる水や空気は、私たちの暮らしを潤し、人と自然、今と未来をつないでいます。
木を伐って、使って、植えて、育てる循環は、健やかな森林と、清らかな水や空気を育みます。

信州ウッドコーディネーターを拝命して3年目。
長野県では“つなぐ木のいのち”をキャッチフレーズに、県産材利用推進を呼びかけていますが、
昨年度の「信州の広葉樹材活用講習会」に続き、今年度は展示販売会を開催いたします。

古から木に親しんできた山国信州。あたたかな木肌は木の息吹、刻まれた年輪は木の表情。
使い込むほどに深まる風合いは、生きている素材ならではの魅力。移りゆく季節に育まれた
森林のいのちはかたちを変えて、人の暮らしに寄り添い、私たちの傍らで生き続けます。

長野県には「木曽谷・伊那谷フォレストバレー」をはじめ、森林や木工の学び舎も多く、
卓越した技術や熱意ある匠が各地域で活躍しています~その点を線に、その線を面に。
日々の暮らしで「NAGANO WOOD PRODUCT」に親しみ、森林へ想いを馳せていただきたいと、
県内の同志が集い開催いたします~ちいさな種から、おおきな力へ 🌳

*実行委員としてフライヤー裏面に執筆した文章より。
そらいろの丘®では「縄文人も往来した黒曜石の道 信州和田峠のカエデ」のお椀を展示予定です。

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2025年9月16日

愛着を持って_2025

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時を経るほどに、風合いを深めるものを、愛着を持って、長く使い続ける。
ものを大切にするこころを伝えてゆくことは、私たちのライフワークです。
私たちのものづくり「漆の器」だけでなく、日々の暮らしの衣食住すべてにおいて、
地球環境に配慮したものを選び、できるだけ長く愛用することを心がけております。

その企業理念に共感して、日本に上陸して間もない頃から、
アウトドアウェアは Patagonia と、森づくりの活動と共に年輪を重ねてきましたが、
何度もリペアしながら、30年近く着続けたベストも、いよいよリサイクルBOXへ…
パタゴニア 軽井沢へ持参したところ、感激してくださったスタッフが素敵な投稿に。

↓ 前職時代から取材慣れしている塗師ならでは、2代目ベストを着て、はいポーズ!
@Patagonia.karuizawa【Worn Wear Story】

↓こちらも Instagram ですが、『にわのわ』でも素敵な動画に。
@niwanowa_art_craft

パタゴニアは5月、『にわのわ』は6月、ふり向けば田園は黄金色に。
今年は10月の「木材利用促進月間」に「つなぐ木のいのち展」へ出展する予定です。
ようやく“さわやか信州”らしい季節に~今秋は信州松本でお会いできますように 🌳

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2025年6月9日

にわのわ アート&クラフトフェア・チバ_2025_続

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“にわのわ日和” に恵まれた佐倉城址公園は、14年め、12回めの「わ」となりました 🌳
にわのわ』へご来場いただき、「漆の器」をご購入いただいた皆さま、
きめ細かに運営してくださった実行委員の皆さま、どうもありがとうございました。
今年もたくさんの出会い&再会に恵まれましたこと、こころより御礼申し上げます。

たくさんの作品を並べて自由に選んでいただく、というテントがほとんどですが、
私たちは展示品を並べて、手にとっていただき、使い方やお手入れをご説明して、
ご希望のお客様には新品から、お好みの木目=木の表情を選んでいただくという、
塗師自ら「漆の器」の魅力を伝える販売スタイルを貫いております。

明るい窓辺で撮影した使い方提案のパネル、手のひらに馴染む愛らしいかたちのお椀、
1枚1枚手描きしているポップに、かわい~い!と足を止めてくださることが多く、
ハレの日に使う特別な漆器から、日々の食卓にささやかな喜びをもたらす「漆の器」へ、
固定観念に一石を投じてきたことが伝わり、話がはずみました。

この文字、フォントかと思った~と、ホントに嬉しいお言葉もいただき、
自ら字を書き、自ら言葉をつむぐ、自らの想いを伝えるため大切にしてきたこと、
私たちのテントから伝わっているんだ~と、ちいさな結実も感じました。
私たちの活動は「つくる」「つなぐ」「つづける」「つたえる」そして「つとめる」

信州小諸と千葉をつなぐことも、年輪を重ねる由縁。
『にわのわ』でのめぐり逢いから『そらいろの丘』へ、またお会いできますように♡

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2025年4月1日

にわのわ アート&クラフトフェア・チバ_2025

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6月7日(土)・8日(日)は、緑あふれる佐倉城址公園で開催される、
にわのわ アート&クラフトフェア・チバ 2025』へ出向きます。
千葉とゆかりのある「つくり手」が「つかい手」とふれあう「わ」には、
「久留里の森づくり」を続けているご縁から9回目の入選となります。

野外にテントを張って直接販売するイベントは各地で行われていますが、
『にわのわ』は公募制で、プロとして制作活動をしていることが応募資格。
実行委員もプロ、選考委員もプロ、ご来場には入場券をご購入いただくという、
アマチュア企画とは違う、クオリティの高い運営が魅力のクラフトフェアです。

私たちの活動は「つくる」「つなぐ」「つづける」「つたえる」という、
“つ”が頭文字の“4つ”の想いに「つとめる」ことを大切に。
人生を起承転結に例えるなら、今は転から結への道半ば。
起「つくる」から承「つづける」、そして、転「つなぐ」から結「つたえる」へ。

信州小諸と千葉をつなぐことも、年輪を重ねる由縁。
『にわのわ』での出会いから『そらいろの丘』へご来訪くださる方も多く、
微力ながら、終の住まいとして根ざすこのまちを潤すことも、大切なお役目。
今年もまた、つくる と つかう が つながる にわへ 🌳

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2025年3月21日

つなぐ木のいのち

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  信州は青空と太陽に育まれる豊かな森林に恵まれ、信州人は木と共に年輪を重ねてきました。
  その地形と気候から多様な木が育ち、「適材適所」に生かす知恵と技術を継承してきました。
  人工林の針葉樹、天然林の広葉樹、外来種の街路樹など、木にはそれぞれ役割があります。
  さまざまな樹種のそれぞれの特長を生かす、「適材適所」は「木の文化」の真髄です。

  3月21日、今年度の「ウッドもっとつなぐ事業」の一環で公募した、
  長野県産木材をPRするための「ロゴマーク・キャッチフレーズ」がお披露目となりました。
  信州の豊かな森林・木材・木工・私たちの暮らしを “もっとつなぐ” 思いが込められ、
  生命の循環への感謝と、その循環に尽力される方々へのリスペクトが感じられます。

  「つなぐ木のいのち」
  そらいろの丘®が活動テーマとして掲げる「年輪を重ねる」や「時を経るほどに」
  信州ウッドコーディネーターとして掲げる「ちいさな種から おおきな力へ」と共鳴する、
  素敵なフレーズをありがとうございます!率先して活用いたします。

  森林面積も森林率も全国第3位の長野県では、なぜか「その他広葉樹」と扱われ、
  家具に使われる大径木のナラが薪に、お椀に使われる尺上のヤマザクラが燻製のチップに。
  私たちより長く年輪を重ねてきた木をもっと大切に、何かアクションを!との思いから、
  信州ウッドコーディネーターを志して2年目、ようやく信州の広葉樹材を調達。

  「長野県SDGs推進企業」の指標の通り、信州の木活用に順次以降中です。
  まずは私たちの原点「お椀 〇(まる) 」から~あらためてご報告いたします。

  *私の活動では、長野県民にとって親しみのある「信州の木」と表現しておりますが、
  長野県が定める「信州ブランド戦略」で「世界につながるイメージを付加する」ため、
  ロゴマークは「NAGANO WOOD PRODUCT」と表記されております。

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2025年1月3日

年輪を重ねる_2025新春

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さりげなく、ささやかに、がコンセプトの私たちの「漆の器」に、
箱根駅伝を聴きながら、あれこれ詰め合わせることも、この丘の新春恒例。
できる限り自家菜園で育てた野菜たちは、さりげない脇役。
石川県産の海の幸を選ぶことで伝える、ささやかな気持ち。

今年は、地域探訪の酒蔵めぐりをお休みして、
千葉県酒々井町で創業300余年の酒蔵、飯沼本家の「甲子(きのえね)」を、
こちらも毎年恒例となっている『にわのわ』に感謝しながらいただきました。

華やかな装飾のないシンプルな重箱、すっと探していたんです~
6寸角の手頃な大きさと隅がまるい曲げ物は、かろやかですね~
昨年末にお持ち帰りいただいたお客様は、使い初めてくださったかしら?
ものづくりから生まれる、ふれあいはこころの糧と、あらためて思う新春に♡

2025年もまた「荒船丸」の舳先に、輝かしい初日の出を仰ぎました。
今年も皆様のお役に立てますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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2024年12月31日

時を経るほどに_2024

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長野県は雪でしょう?とご心配いただくこともありますが、
キーンと冷えこみ、カーンと澄みわたる、晴天率の高いまち信州小諸。
今年もまた「荒船丸ゆく」風景を望む季節となりました。

お花のことは『春てりん』と、郷里の友に作ってもらったお飾りは、
米づくりから手がけたしめ縄に、縁起のよい市松模様のリボンが結ばれ、
時を経るほどに風合いを深める、地場産カラマツの外壁にとけ込んで。

おかげさまで『そらいろの丘』は、今秋よりオープン10年目に。
数百本の年輪を刻む木から見れば、わずか10年ではありますが、
生涯現役であり続けるための活動拠点として、さらに前進いたします 🌳

いつもご覧いただいている皆さま、どうもありがとうございます。
来る年が健やかで朗らかな年となりますようお祈り申し上げます。

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2024年8月31日

黄昏色に染まる時_2024夏

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地球規模の気候変動を憂う、今夏も暑~~い夏となりました。
雨あがりの夕暮れ、移りゆく空にカメラを持って丘に立つと、
『そらいろの丘』は「黄昏色に染まる時」にとけ込みました。

今春は種まきも定植もひと月遅れてしまった、ひまわりは処暑を過ぎてから開花、
今年も咲きました〜頭を垂れかけた大輪の花から、そんな声が聞こえてくるように。
庭に植樹したカツラはいつしか屋根を越え、この丘の軌跡を物語るほどに生長、
ハート型の葉っぱも「不変」という花言葉も、シンボルツリーにふさわしく。

お隣の桑の木の実を美味しそうに食べるポコリン(タヌキ)
自家菜園のニンジンの葉から羽化したきーちゃん(キアゲハ)
この丘で共生する生き物たちとの思い出も、年輪を重ねてきましたが、
今年は夜明け前の “早起きミンミン”(セミ)、競って早起きしたね~と笑みがこぼれて。

『そらいろの丘』は私たちの終の住まい、生涯現役であり続けるための活動拠点。
8月31日で竣工から丸9年、今秋より10年目に、次の10年へ想いを馳せるこの頃。
数百本の年輪を刻む木から見ればわずか10年ですが、この丘に至る半世紀を振り返り、
これからも「つくる・つなぐ・つづける・つたえる・つとめる」想いを大切に 🌳

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