2024年10月25日

そらいろ便り

Category: 空をわたる

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自然の営みはつつがなく、流れゆく雲に海を想う季節となりました。
ギャラリー&カフェ『そらいろの丘』は、店づくりのはじまりを大切に、
漆の器」をこれからご購入いただく方、これまでご購入いただいた方とふれあう、
ご予約制の店舗にて営んでおります。

*ご来店はご予約制とし、1週間前までにお電話またはメールにて承ります。
店舗営業日の公開、千曲ビューライン沿いへの看板設置はしておりません。

*夫婦共創の「漆の器」を展示販売する店舗につき、ご来店のご予約は、
これからご購入いただく方、これまでご購入いただいた方に限らせていただきます。
カフェでのおもてなしは、ご希望に応じて、コーヒー&焼菓子をご提供いたします。

*「漆の器」のご購入および贈り物をお考えのお客様には、
オンライン接客も承りますので、どうぞお申しつけくださいませ。

*当初より飲食店や喫茶店として営んでおりませんので、これまで同様、
併設のカフェのみご利用、不特定多数向けのスペース提供はお断りいたします。

そらいろ便り」と「ものがたり」に、この丘の歩みを綴っております。
私たちの活動が皆さまのお役に立ち、地球の未来へつながることを願っております。

(2024月10月25日 更新)

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2024年8月31日

黄昏色に染まる時_2024夏

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地球規模の気候変動を憂う、今夏も暑~~い夏となりました。
雨あがりの夕暮れ、移りゆく空にカメラを持って丘に立つと、
『そらいろの丘』は「黄昏色に染まる時」にとけ込みました。

今春は種まきも定植もひと月遅れてしまった、ひまわりは処暑を過ぎてから開花、
今年も咲きました〜頭を垂れかけた大輪の花から、そんな声が聞こえてくるように。
庭に植樹したカツラはいつしか屋根を越え、この丘の軌跡を物語るほどに生長、
ハート型の葉っぱも「不変」という花言葉も、シンボルツリーにふさわしく。

お隣の桑の木の実を美味しそうに食べるポコリン(タヌキ)
自家菜園のニンジンの葉から羽化したきーちゃん(キアゲハ)
この丘で共生する生き物たちとの思い出も、年輪を重ねてきましたが、
今年は夜明け前の “早起きミンミン”(セミ)、競って早起きしたね~と笑みがこぼれて。

『そらいろの丘』は私たちの終の住まい、生涯現役であり続けるための活動拠点。
8月31日で竣工から丸9年、今秋より10年目に、次の10年へ想いを馳せるこの頃。
数百本の年輪を刻む木から見ればわずか10年ですが、この丘に至る半世紀を振り返り、
これからも「つくる・つなぐ・つづける・つたえる・つとめる」想いを大切に 🌳

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2024年7月31日

信州の木を適材適所に

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信州は青空と太陽に育まれる豊かな森林に恵まれ、信州人は木と共に年輪を重ねてきました。
その地形と気候から多様な木が育ち、「適材適所」に生かす知恵と技術を継承してきました。
人工林の針葉樹、天然林の広葉樹、外来種の街路樹など、木にはそれぞれ役割があります。
さまざまな樹種のそれぞれの特長を生かす、「適材適所」は「木の文化」の真髄です。

森林面積も森林率も全国第3位の長野県では、これまで「その他広葉樹」として扱われ、
家具に使われる大径木のナラが薪に、お椀に使われる尺上のヤマザクラが燻製のチップに。
今は亡き飛騨の匠の「そんなことしたらダチカン!(飛騨弁でダメだの意)」という声を聞き、
「信州の木を適材適所に」活用することを、信州ウッドコーディネーターの活動テーマに。

7月15日 (月・祝)、木もれ陽が涼やかな長野県林業総合センター 森林学習展示館にて、
信州木工会主催、長野県後援の「信州の広葉樹材活用講習会」を開催いたしました。
木工家第一世代の谷進一郎氏をはじめ、県職の皆さま、木工家の皆さまにお力添えいただき、
定員を超える同志が集い、情報共有の場になり、次へつながる学びの場となりました。

お世話になっている方から「広葉樹は針葉樹とともに本県の宝」と激励のお言葉をいただき、
私も「混ぜれば薪 分ければ宝」(選別すれば用材となる)とお話させていただきました。
白馬山麓のナラ、安曇野のサクラ、善光寺平のクリ、そんな表記ができるようになれば、
「信州の木」の付加価値を高め、木工品の魅力を深める…ちいさな一歩はおおきな力へ 🌳

ご参加いただいた皆さま、ご尽力くださった皆さま、どうもありがとうございました。
来年度は、つくり手とつかい手を “もっとつなぐ” 場の創出を目指しておりますので、
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

*「木工家」とは、「職人」と「作家」の要素を持ち、
自然が育んだ「木」と先人から受け継いだ「木工」という技や造詣をリスペクトし、
良いものを残そうという「志」を持った生き方・働き方をする人。
(谷進一郎氏「木工家の時代を考える」より抜粋)

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2024年6月13日

にわのわ アート&クラフトフェア・チバ_2024_続

漆の器

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雨あがりの空、緑あふれる佐倉城址公園は、13年め、11回めの「わ」となりました 🌳
にわのわ』へご来場いただき、「漆の器」をご購入いただいた皆さま、
きめ細かに運営してくださった実行委員の皆さま、どうもありがとうございました。
今年もたくさんの出会い&再会に恵まれましたこと、こころより御礼申し上げます。

たくさんの作品を並べて自由に選んでいただく、というブースがほとんどですが、
私たちは展示品を並べて、手にとっていただき、使い方やお手入れをご説明して、
ご希望のお客様には新品から、お好みの木目=木の表情を選んでいただくという、
塗師自ら「漆の器」の魅力を伝える販売スタイルを貫いております。

明るい窓辺で撮影した使い方提案のパネル、手のひらに馴染む愛らしいかたちのお椀、
1枚1枚手描きしているポップに、かわい~い!と足を止めてくださることも多く、
いつか使い初めたい!と心あたためていたご家族が足を運んでくださることも多く、
今年は、私たちの原点「お椀 〇」(写真右)が完売となりました。

次の製作から「長野県SDGs推進企業」として指標に掲げる「信州の木」活用へ、
完成までしばらくお時間をいただきますこと、どうぞご了承くださいませ。
開場中は“にわのわ日和”となり、お客様にはお楽しみいただくことができましたが、
搬出は怒濤の雨、帰宅後も怒濤の日々となり、贈り物の発送を終えてホッとひと息。

信州小諸と千葉をつなぐことも、年輪を重ねる由縁。
『にわのわ』でのめぐり逢いから『そらいろの丘』へ、またお会いできますように♡

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2024年4月28日

ちいさな種から_2024春

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『そらいろの丘』は山桜咲く季節となりました。
お隣の地主さんのご厚意で、鬱蒼とした荒地を整備しはじめた頃、
蔓植物に絡まれて、地面に引っ張られて、幹が曲がりくねっていた山桜が、
今春はひときわ美しく、野生種の桜ならでは、花と葉を同時にひらきました。

春夏は草刈り、秋冬は除間伐を、コツコツと続けた甲斐あって、
不法投棄されたゴミが散在していた藪は、今や風抜ける木立へ。
助けてくれてありがとう~
山桜の声が聞こえてくるような塗師のスナップ写真、奥にはミズナラの苗畑も。

人工林の針葉樹、天然林の広葉樹、外来種の街路樹、木にはそれぞれ役割があり、
「適材適所」に生かす知恵と技術の継承こそ、日本の「木の文化」の真髄です。

胸高直径(人の胸の位置にあたる樹幹)22センチ、まだまだ小径木ですが、
ちいさな種から芽生えた命はかたちを変えて、ひとの傍らで生き続けるものに。
あと40~50年したら「漆の器」だね~
いつか「お椀」となる日へ想いを馳せて、元気になった山桜を見あげました 🌸

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2024年4月1日

にわのわ アート&クラフトフェア・チバ_2024

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6月1日(土)・2日(日)は、緑あふれる佐倉城址公園で開催される、
にわのわ アート&クラフトフェア・チバ 2024』へ出向きます。
千葉とゆかりのある「つくり手」が「つかい手」とふれあう「わ」には、
「久留里の森づくり」を続けているご縁から、8回目の入選となります。

野外にテントを張って直接販売するイベントは各地で行われていますが、
『にわのわ』は公募制で、プロとして制作活動をしていることが応募資格。
実行委員もプロ、選考委員もプロ、ご来場には入場券をご購入いただくという、
アマチュア企画とは違う、クオリティの高い運営が魅力のクラフトフェアです。

私たちの活動は「つくる」「つなぐ」「つづける」「つたえる」という、
“つ”が頭文字の“4つ”の想いに「つとめる」ことを大切に。
人生を起承転結に例えるなら、今は転から結への道半ば。
起「つくる」から承「つなぐ」、そして、転「つづける」から結「つたえる」へ。

プロのものづくりとは、皆さまのお役に立ち、未来へつなぐこと。
私たちの「漆の器」は塗り直しを承り、日本の「木の文化」を伝えていますが、
こうやって受け継がれるのですね~これからも使い続けます!というお言葉に、
続けてきたからこそ、伝わっていると感じる、ものづくりの糧となる場でもあり。

信州小諸と千葉をつなぐことも、年輪を重ねる由縁。
『にわのわ』での出会いから『そらいろの丘』へご来訪くださる方も多く、
微力ながら、終の住まいとして根ざすこのまちを潤すことも、大切なお役目。
細やかに運営してくださる皆さまに感謝しながら、今年もまた、あの庭で 🌳

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2024年3月20日

冬木立の向こうに_2024春分

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立春を過ぎてから、たびたび湿雪が舞い、まだまだ雪山を望む春分の朝。
早咲きの桜便りとともに朗報も、若葉ゆれる季節をこころ待ちにするこの頃です。

山国信州のパノラマひろがる、標高820メートルの『そらいろの丘』は、
北に浅間山、南東に富士山、南に八ヶ岳、南西に西駒ヶ岳を見晴らしますが、
西の北アルプスは、さすが「日本の屋根」と言われる標高3000メートルの峰々。
浅間山や八ヶ岳が雪解けする頃も、急峻な山頂は白く、青空にひときわ映えて。

落葉の季節が訪れるたび、手持ちの望遠レンズでは限界を感じながらも、
モルゲンロートを、マジックアワーを、朝に夕に追いかけてきましたが、
今冬は、信州ウッドコーディネーターの活動で訪れた山麓のまちへ想いを馳せて、
全国4番目の広さの長野県を、あらためて学ぶ風景となりました。

気がつけば梢がふくらみ、やがて冬木立は若葉の帳となり、
胸おどる槍ヶ岳や穂高を仰ぐ風景は、また次のシーズンへ。

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2024年3月1日

ちいさな種から_2024春

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ちいさな種から芽生える、たくましい生命力を共感できたらと、
晴天率の高いまちに適った、ひまわりを育てるマイ・プロジェクト。
「太陽の花」という学名通り、はれやかに、すこやかに、ほがらかに、
曲り角のアイキャッチとして、この丘の夏の風物詩となりつつあります。

名画『ひまわり』の背景にひろがる、搾油用に栽培される品種で、
4月下旬に育苗ポットへ播種、本葉が4~5枚となった5月下旬に定植。
その年の気候により、生長もさまざま、開花も見頃もそれぞれですが、
1枚の写真は、記録となり、記憶となり、この丘の軌跡となっています。

私たちの「漆の器」のつかい手となってくださったお客様へ、
感謝の気持ちをこめて、毎年選りすぐりの種子をお届けしております♡
大輪の花に笑みがこぼれ、話がはずむことを願いながら、
ちいさな種から芽生える命に、平和の祈りを捧げて 🌻

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2024年2月3日

冬木立の向こうに_2024大寒

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いちだんと澄みわたる空に、白い頂が映える大寒の朝。
カメラを持つ手も凍える冷えこみですが、朝陽に輝く西の山並みには、
西駒ヶ岳(左奥*)と御嶽山(右)を望むことができます。

山国信州のパノラマひろがる、御牧ヶ原の最高地点にある『そらいろの丘』では、
北に浅間山、南東に富士山、南に八ヶ岳、西に北アルプスを見晴らしますが、
冠雪すると際立つ、中央アルプスや木曽の秀峰を仰ぐ風景は、厳寒の季節ならでは。

手持ちの望遠レンズでは限界を感じますが、便利な山アプリをかざして、
信州ウッドコーディネーターの活動で訪れた、伊那や木曽の匠の顔を思い出しながら。
気がつけば日向にふきのとう、空や野山がほんのり春めく、明日はもう立春です。

*伊那では甲斐駒ヶ岳を「東駒」木曽駒ヶ岳に連なる山々を「西駒」と親しんでいる、
という話を伺い『そらいろの丘』でも「西駒ヶ岳」と想いを馳せることにしました。
中央アルプス国定公園誕生を記念した写真集「感動 西駒ヶ岳」をお贈りいただいた、
宮田村役場にこころより御礼申し上げます~「感動 宮田村」ありがとうございます♡

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2024年1月4日

年輪を重ねる_2024新春

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さりげなく、ささやかに、がコンセプトの私たちの「漆の器」に、
箱根駅伝を聴きながら、あれこれと詰め合わせることも、この丘の新春恒例。
飛騨高山時代から、お正月は日本海の幸と、今年も思いを寄せておりました💧

乾杯も憚られる年明けですが、日本の「木の文化」を伝えることはお務めと、
重ね箱」と「みつ入れ子」に盛り合わせ、地域探訪の酒蔵めぐりで調達した、
寒冷な気候を生かし自然凍結させた掛米で仕込む「凍米造り」の新酒を添えて。

このニンジンから、きーちゃん(キアゲハ)がたくさん旅立ったね~
お煮しめを彩るために保存していた、絹さやは五葉松に見立てよう~
さりげない脇役は、ささやかな自家菜園で育てた、思い出いっぱいな野菜たち。

華やかな装飾のないシンプルな「重ね箱」は、ご結婚御祝にもお選びいただき、
6寸角の手頃な大きさと隅がまるい曲げ物ならでは、かろやかに、あたたかに。
さりげない演出とささやかなお節から、木の魅力が伝わりましたら何よりです。

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