ちいさな種から_イタヤカエデ
のびのびと枝を伸ばす板屋楓に、大きくなったね~と声かける朝
清楚で可憐な花は、いつしか“プロペラ”となり、風に乗って遠くへ
『そらいろの丘』に植樹した板屋楓(いたやかえで)が、花を咲かせました。
ちいさな種から芽生え、この丘へ定植した幼木は、いつしか見上げるほどに 🌳
華やかに咲き誇る園芸種の花と違い、野生種の花は、ひっそりと、しっとりと、
自然の営みのあるべき姿を諭してくれます。
板で葺いた屋根のように、葉がよく繁ることに由来するイタヤカエデは、
木材流通上では、日本に育つ他のカエデや、外国産メイプルと区別され、
通直で硬質できめ細かな木材は、「木の芸術品」といわれるピアノに使われます。
ピアノのある風景に、イタヤカエデの生長を重ねた、5年目の春。
ものがたりは、ちいさな種から。
ちいさな命の尊さを思うこの頃です。