空をわたる_2021清明
この冬は寒さが厳しかったので、木が休眠打破して、
信州小諸にも例年より早く、桜咲く季節が訪れました。
小諸の町中から150メートル上った、ここ御牧ヶ原では、
春を告げる指標植物、辛夷の花咲くこの頃です。
浅間おろしが吹き荒んだ翌朝、くっきりと映える山並み。
季節はめぐり、万物が清く、明るく、美しい「清明」へ。
「浅間山を望む」や「富士山を望む」は、四季を織りなす定点観測ですが、
「東雲色に染まる時」や「黄昏色に染まる時」は、定点からの撮影ではなく、
夜明けや夕暮れに、ふたたび望むことのない“そらいろ”を、こころ留めた時。
青空に望む一期一会の“そらいろ”は、「空をわたる」というタイトルに。
日本の伝統色「空色」は、昼の空を思わせるスカイブルー。
風が描いた空もように、今この空、今この丘、を感じていただけますように。