立待月の夜明け

空が明るみはじめた寅の刻、富士見平を望む風景に、美しく映える「立待月」

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月を愛で、月と親しんできた、日本人。
太陽暦に代わる以前、月の満ち欠けを周期に、太陰暦が使われてきた歴史から、
多くの歌人が月を詠み、ロマンチックな月の物語が綴られてきました。

前の晩に、今か今かと立って待つうちに昇ってきた「立待月(たちまちづき)」
風情ある呼び名も、少し欠けたかたちも、奥ゆかしさを感じる「十七夜」が、
静寂につつまれた富士見平に、神秘的な光を放っていました。

東の空から昇る、夕べの月だけでなく、
西の空へ落ちる、夜明けの月も美しく。
朧月の夜明け蒼い朝を思いだす、「立待月の夜明け」とこころに刻みました。

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